投資信託は2種類の利益に分かれている!売買の仕組みも解説
投資信託に興味が湧いた方の中には、どうやって利益を得られるのか仕組みを知りたいと考えているのではないでしょうか。
また、「ファンドの分配金など良く分からない・・・」、といったように投資信託独自の用語・仕組みに困っているかと思います。
投資信託で得られる利益は、大きく分けて2種類に分かれています。譲渡益と分配金と呼ばれる利益があり、それぞれ仕組みが違います。
今回は投資信託の利益に関する仕組みが分からない方へ向けて、譲渡益と分配金の意味や仕組みをはじめ、売買から利益を得る流れも紹介します。
■投資信託の利益とは
冒頭でも触れましたが投資信託の利益は、譲渡益と分配金の2種類に分かれているのが特徴です。
傾向としては、分配金よりも譲渡益の方が利益は大きいものの、分配金の仕組みを理解しているかどうかでファンド選びが上達するかどうか変わります。
●譲渡益とは売買益のこと
投資信託の譲渡益とは、ファンドを安く買って高く売った時に得られる利益のことです。
例)譲渡益の原理
- 100円で購入し200円で売却。100円の差益。
また、投資信託ではファンドの価格を「基準価額」と呼びます。基準価額は1口(1万口の場合もある)単位の価格で、上場直後は1万円と定められているのが特徴です。
市場で運用され始めると、各ファンドの運用結果に応じて基準価額が上がったり下がったり変化します。
株式投資などと同様に、購入後に価格が上がれば利益となりますし、下落すると損失へ繋がります。
投資信託で資産を増やす場合は、譲渡益を軸に考えるのが基本です。
基準価額は1日に1回価格変動する
投資信託の基準価額は、1日に1回価値が計算されて価格変動します。そのため短期的に大きな利益を得ることは難しい一方、中長期的に少しずつ資産を増やす方向性と良い相性です。
基準価額は証券会社の投資信託専用ページで公開されています。また、各ファンドの個別ページもあるので、手軽に基準価額を確認できます。
利回り(自己資金に対する利益率)は一般的に2~7%程度ですので、100万円を投資すると年間で2~7万円程度の利益もしくは損失になる計算です。ただ、実際の運用では譲渡益も含めて再投資できるため、毎年少しずつ利益を大きくする戦略がとれます。
●分配金は運用結果に応じて得られる利益
投資信託の分配金は、売買によって発生する損益ではありません。運用会社・信託銀行が運用した結果、投資資金の増減に応じて分配される利益・損失です。
分配金を得られるタイミングは、決算月によって違うためばらつきがあります。ただし、決算日から5営業日以内には支払われるルールです。
更に分配金は自動で再投資されるコースと、口座で受け取るコースの2種類に分かれているので戦略に応じて選ぶことができます。
普通分配金と特別分配金
分配金を理解する上で欠かせないのが、普通分配金と特別分配金です。
普通分配金とは、運用会社・信託銀行が運用して利益も出た際に、投資資金ではなく利益を各投資家に支給する方式を指します。
つまり単純に運用利益の一部を得られるという仕組みです。
一方特別分配金は、運用会社・信託銀行が運用したものの損失が発生してしまった際に、投資家から集めた資金の一部を切り崩して、支給しているものです。
そのため特別分配金が支給されたからといって、利益を受け取っているということではありません。むしろ損失が発生していて、分配金を投資家達の資金から捻出している状況です。
分配金の支給方式や金額は、定期的に送られる収支報告書(電子データ・紙)の中に記載されていますので必ず確認しましょう。
■投資信託の売買の流れとは
続いては投資信託の売買の流れについて、各項目に分けて解説します。投資信託の仕組みはややこしいですが、取引方法は比較的簡単です。
●口座開設手続きを行う
まずは証券会社へ口座開設手続きを行います。どの証券会社でも共通ですが、総合口座と呼ばれる口座から開設します。
各証券会社の公式HPで、口座開設ページへ移ります。一般的には以下のような情報を入力し、仮登録を行います。
- 年齢
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 勤務先、勤務先の住所と電話番号
- 勤務先が上場企業の場合は、インサイダー取引防止のため証券コードも登録(自身が役員の場合は更に細かく情報を入力)
- 投資歴
- 投資目的
- メールアドレス
- 本人確認書類の画像
- 特定口座や普通口座などを選択
- 金融機関の登録(入金・出金のため)
証券会社によっては即日で口座開設できます。一般的には情報確認などの関係から、数日から1週間程度は審査待ちです。
●投資信託の口座を開設
証券会社へ総合口座の開設が完了したら、投資信託ようの口座も開設します。
証券会社の口座は総合口座を開き、その後各金融商品の口座開設手続きを行う流れです。ただし、口座開設といっても再度書類提出や個人情報の入力はありません。
各金融商品に関する規約確認のみで済むため、最短数10分で開設完了です。
●入金作業
入金作業については、総合口座を開設した段階と投資信託の口座開設後、どちらのタイミングでも問題ありません。
入金方法は、口座設定や口座管理に関するページを開き、金融機関と入金額を指定しパスワードを打ち込めば手続き完了です。
特に難しいポイントはありません。
●ファンドを選ぶ
入金作業の次は、ファンド選びの作業に入ります。多くの証券会社では、各ファンドを検索でき、基準価額や運用方針など詳細な情報も公開しています。
このような情報を基に、今後1年・5年・10年と着実に成長する可能性のあるファンドを探すのがファンド選びの基本です。
また、投資信託は分散投資(複数のファンドを購入すること)でリスクを抑えること重要で、なるべく各値動きに連動性のないファンドを選びましょう。
補足
分散投資:2種類以上のファンドを購入して、一部のファンドで損失を被っても利益のでているファンドでカバーする戦略です。
分散投資の効果を高めるためには、各ファンドの値動きに大きな違いがあったり、異なる業界同士のファンドを選んだりすることが大切。
●注文手続きを行う
注文手続きは、購入数量と買付方法を指定するだけで完了します。株式投資やFXのように、任意の金額で注文する指値注文はありません。
また、買付方法はこちらです。
- 口数買付:1口単位で購入数量を指定する注文方法。
- 金額買付:いくらで購入するか指定する注文方法。分配金の受け取り方法も指定できる。
例)
- 1口100円で買付方法を解説
- 口数買付:10口購入の場合、1000円の購入金額となる。
- 金額買付:1000円分購入の場合、10口分の購入となる。
実際は消費税や手数料が掛かるので、注文金額から更に上乗せされます。
平均買付金額を下げられるのは、主に金額買付です。基準価額が下がればより多くの口数を買い付けることができ、基準価額が上がると少ない口数買付で抑えられます。
つまり、安い金額の時に大量購入でき、高い金額の時は買付量を抑えられます。
例)1口100円、1万円で買付すると100口購入。
- 基準価額が50円まで下がる:1万円分の買付の場合、200口購入。
- 基準価額が200円まで上がる:1万円分の買付の場合、50口購入。
補足
平均買付金額:2回以上ファンドを購入した場合の、平均購入単価のこと。ファンドを1回ではなく定期的に購入する場合、購入単価を下げた方が利益を伸ばしやすい。
●取引成立
注文後は取引成立を待ちます。ただし、注文段階では市場で取引するのではなく、ファンドを管理している会社と手続きを行うので即成立します。
取引成立後は電子データあるいは郵送で、定期的に収支報告書や目論見書(ファンドの運用方針を記した書類)送られます。
ファンドの運用方針や収支を資料で確認しながら、半年や1回ごとに売却するか保有し続けるか判断するのが投資信託の基本です。
●売却
ファンドの売却方法は、買い取り請求と解約請求の2種類あります。
- 買い取り請求:ファンドの契約を文字通り解約する方法。運用会社から売却手続きを行う。
- 解約請求:運用会社が保有しているファンド資金の一部を、販売会社が買い取りその後投資家へ利益・資金を渡す方法。
売却時には、解約手数料と信託財産保留額が掛かります。それぞれの手数料率・費用は、ファンドや購入数量・金額によって異なるため、購入前や売却前に確認しておきましょう。
補足
- 解約手数料:購入時に手数料が掛からないファンドで含まれることが多い
- 信託財産保留額:販売会社や運用会社が換金手続きに掛かるコストのこと。
【まとめ】投資信託は譲渡益と分配金2つの利益で資産設計ができる
投資信託はファンドの売買によって得られる利益と、運用によって発生する利益の一部を受け取る分配金の2種類があります。
どちらも損失リスクとリターン、どちらの可能性もあるので必ず余裕資金を使って投資することが大切です。
売買の流れは、口座開設が完了すればファンド選びと注文手続きで済むので、投資未経験者でも覚えやすい簡単な内容といえるでしょう。
これから投資信託を始める場合は、利益の仕組みも理解した上で準備を進めるのが必要です。
今日もたくさん書いたペン!
それでは!
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