株式投資を始める時に悩む投資資金。いくら用意すれば、どの程度の利益をいつまでに確保できるのか分かりにくいところです。しかし、だからといって適当に投資資金を設定してはいけません。
投資資金を適当に決めてしまうと、いざ株式投資を始めても購入したい銘柄を購入できなかったり、目標利益に届かなかったり後から問題が頻発します。
そして何よりも、投資資金を用意する時に必須の考え方が、余剰資金。
今回は株式投資に利用する資金の運用に悩んでいる方に向けて、投資資金の基本的な考え方をはじめ、投資資金の作り方や注意点についても解説します。
投資資金に対する利益率はいくら?
まずは投資資金に対する利益率について、理解しておきましょう。
投資資金を用意した後に気になるのが、利益率はいくらまで伸ばせるのかといった点です。
しかし、そもそも「利益率とは何を表しているんだろう?」といったように、分かりにくい用語でもあります。
利益率とは投資した金額に対して、どの程度利益を得られるのかを表した数値です。
例)(計算例のため手数料は除く)
- 10万円の資金で1株1000円の株を100株購入
- 10万円の投資資金に対して、利益が1000円の場合
- (1000円÷10万円)×100=1%
- 利益率1%
買った時の株価や価格変動、どの程度の期間株式を保有しているかによっても変わりますが、経験上1週間程度のスパンでは利益率平均1~4%程度です。
→未経験者は、「資金を用意した後に利益率が気になる」というよりは、「利益率とはなんなのか」がまずわからないということと、合わせて、「たとえば、10万円用意して株を購入した場合、どのくらいプラスになるんだろう?」ということが気になると思うので、このようなニュアンスで説明を変更・追加していただければと思います。
ここからは利益率の意味をはじめ、経験から考察した利益率の目安をご紹介します。
投資金額に対して10%あれば上出来
投資経験から解説すると、投資金額に対して10%の利益を発生させれば上出来といえるでしょう。
例)利益率10%
- 10万円の投資資金、1ヶ月で1万円の利益
株式投資を始めると分かりますが、利益率を伸ばすことは非常に難しく少額投資であるほど利益額も小さい傾向になります。そのため利益率を2%や3%など、余裕を持った目標設定で考えるのがおすすめです。
高いハードルはミスを招く原因ですので、スキルアップと共に少しずつ利益率の設定も変えてみましょう。
少額投資で大きく儲ける場合はハイリスク
巷では「少額投資で大きく儲ける」といったようなテーマの解説もありますが、実際は少額投資で大きく儲けるのは難しく、ハイリスクです。
たとえば10万円の投資資金を全て使用し、1ヶ月で100万円を狙うとします。
例)
- 1株100円
- 1日に10円単位の値動き
- 1000株購入
- 20円下落
このような場合1日の損失額が2万円となり、次の取引では残った金額の8万円で売買しなければいけません。
少額投資で大きく儲けるためには、資金力は乏しいため値動きの激しい銘柄で補う必要があります。しかし、値動きの激しい銘柄は、予測不能な動きを繰り返しやすく全体の2割や4割の損失を1度の取引で被る可能性もあるのです。
少額取引でも100万円単位の取引でも、利益率と損失額を考慮した上で慎重に検討することが大切です。
株式投資の投資資金はいくらから?
まず、株式投資はいくらから始められるのか、そして少額投資と一定額の資金を用意して投資を行う方法、どちらが良いのかさまざまな視点から解説します。
1万円からでも始められる
基本中の基本ですが、株式投資は1万円からでも始めることができます。
また、ミニ株と呼ばれる単元未満株(1単元=100株以下で購入できる銘柄)を購入できる金融商品もあるので、1株8000円や1株6000円でも株式投資を始めることは可能です。(各銘柄によって価格は異なります。)
ただし安過ぎる銘柄は、業績や事業に何らかの問題を抱えている可能性もあり、購入は慎重に検討しましょう。
しかし、ミニ株ではない通常の投資では、基本的に1株10万円もしくは30万円以上のケースが多く、少額投資できないことがほとんどです。
更に中小型株の多くは数万円で購入できるものの、1万円以下の投資では、利益が数10円と小さくなってしまいます。
つまり株式投資の利益率は1%や3%が多いため、1万円の投資額で利益率1%の場合は100円の利益しか得られません。中長期投資で利益を積み重ねる方法もありますが、時間を掛けた割に利益が小さくメリットは少ないでしょう。
少額投資と100万円以上どちらがいいのか
前述のケースも考慮すると、少なくとも20万円や50万円以上の投資資金を用意するのがいいでしょう。
投資資金が多ければ多い程、1回の取引で得られる利益率が2%など低くとも、1万円以上の利益も確保できます。
しかし、どうしても少額投資でなければいけない事情もあるでしょう。たとえば10万円の少額投資で毎月1万円の利益は、現実的に狙うことができます。
利益率10%は中期投資であれば、初心者でも実現可能な数値ですので少額投資でなければいけない場合は、始めるメリットもあるでしょう。
どちらが良いというよりかは、現在どの程度投資資金を用意できるのか、といった点で資金の幅を設定するのが基本です。
投資資金の作り方と考え方
続いては株式投資の投資資金の作り方と、基本的な考え方について解説します。投資資金は文字通り投資に活用する資金のことですが、慎重に検討することが大切です。
適当な考え方では生活にも影響するので、多少時間が掛かっても投資資金についてじっくり考えましょう。
必ず余剰資金で始める
投資資金を作る時の基本中の基本で、非常に重要なポイントが余剰資金で始めることです。
余剰資金とは、以下のような用途以外に余っている資金です。
- 生活費
- 住宅や自動車購入ローンなど、ローン返済に充てている資金
- 将来のために残している資金
- 社会保険
- 突発的な出来事のために用意している資金
特に生活費やローンなど、今すぐ必要な資金には手を付けてはいけません。もし生活費に必要な資金を投資に回し元本を0円にしてしまった場合、生活費を貯金などで補填することになります。また、場合によっては借金しなくてはいけないでしょう。
特に投資を原因として、突発的な借金は生活破綻を招いてしまいます。ですので、生活に必要なお金は、投資資金に回さないのが基本です。
余剰資金は、目的が無い・生活に影響の無いお金のことで、たとえば毎月のお小遣いや趣味に充てている資金を指します。しかし、現時点で余剰資金が無い場合は、食費生活費を節約するなどして余剰資金に回す方法もあります。
目標資金から投資資金を設定
投資資金を作る時に悩むのが、いくら用意すればいいのかという点です。冒頭でなるべく多い方が良いと解説しましたが、目標設定も必要です。
たとえば10年後に1000万円の利益が欲しいという夢がある場合、現時点でいくらの投資資金があれば無理なく運用・目標利益を達成できるか逆算してみます。
利益率5%で仮定してみるのもいいでしょう。
- 100万円×5%=5万円(1回の取引)
- 1ヶ月に4回程度の取引で、20万円/月
- 1年で約240万円の利益
- 税金や損失リスクも考慮すると、10年で1000万円を達成できる可能性。
ちなみに利益率の設定は実際の株価の変動から求めたり、これまでの経験から考えたりさまざまです。
まずは株式投資でいくら稼ぎたいのか、目標時期と利益率を仮定した上で考えるのがおすすめです。
投資資金の作り方
投資資金の作り方はさまざまですが、一例を以下にご紹介します。
- 副業で稼ぐ
- 食費や光熱費を節約する
- 毎月の娯楽費を減らす
- フリマアプリを利用する
最近ではパソコンを活用した副業や、副業関連サービスも多数立ち上がってるので月数万円稼ぐことも可能です。イラストが得意であれば、個人間スキルシェアサービスでイラスト制作を行ってみます。
他には光熱費などを節約する方法があります。近年電力自由化されたので、自宅の消費電力ペースに合った新電量を選び、光熱費を削減することも可能ですよ。
毎月の娯楽費とは飲み代や趣味などのことですが、あまり我慢し過ぎると挫折する原因にもなるため、ほどほどにしておきましょう。そして最近のサービスを利用する方法もおすすめで、フリマアプリも検討してみましょう。
スマホで不用品を個人間売買できる便利なアプリです。生活用品など規約違反にならないものであれば、任意の価格売却できるため副業として毎月数万円を得やすい方法でしょう。
投資資金は簡単に作れないことが基本と考え、焦らずじっくり準備する心の余裕も必要ですよ。
投資資金に関する注意点
投資資金に関する注意点があります。それは、投資資金全てを1回の取引で投入しないことです。
人によってスタイルは異なりますが、折角貯めた投資資金を全て1回の取引に回すと、大きな損失を招いた際にやり直すことが難しい状態になってしまいます。
まずは投資資金の1割や2割で取引に慣れつつ、自分に合った投資方法や分析方法を探します。また、自己資金を2割失うだけでも大きなダメージで、初心者にとっては精神的にも厳しい状況になりがちです。
最初から一定の利益を得たい気持ちは分かりますが、投資に慣れること・投資スタイルの確立を行うためにも投資資金の1割から2割で取引を始めることをおすすめします。
投資資金は無理のない範囲で余剰資金から用意するべき!
株式投資の投資資金は、必ず生活費や将来の貯金などと関係の無い資金で用意しましょう。損失によって投資資金が減ることもあるので、常にリスクがあります。
また、投資資金は目標の利益額と達成時期から逆算して、準備する方法もおすすめです。具体的な金額を算出できるので、今何をすべきか行動しやすいでしょう。
株式投資は必ず儲けられる金融商品ではありませんので、まずは無理のない範囲で投資資金を集め、全体の1割や2割の資金で投資に慣れることをおすすめします。
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