FX未経験者が困るポイントの1つは、基本的なルールとシステムを理解するのに欠かせない、専門用語ではないでしょうか。
「レバレッジやスプレッドなど、用語が多すぎて分からない…」と、つまずいてしまう方もいるでしょう。
FXは通貨の価値が変動する性質を利用した金融商品で、1ドル100円から120円など2通貨1ペアで取引が行われています。そして、価格変動を利用することで利益を得ることも可能です。(元本保証は無いため、思わぬ損失も招くリスクはあります)
また、基本的なルールや用語を覚えていれば、取引操作は問題無く行うことができます。
今回はFX未経験者の中でも、通貨の意味は理解しているもののFXのルールや用語で悩んでいる方に向けて、基本的なルールや用語を中心にご紹介します。
1つ1つ把握していけば難しい内容ではありませんので、参考にしてみてください。
FXを始める前に覚えてくべき基本用語
FXに関する専門用語は多数あるため、1度に全て覚えようとすると挫折してしまいます。また、専門用語の中には最初に覚えてくべき基本用語と、中級者以上が覚えるべき応用に近い用語に分けることができます。
ここでは未経験者の方に向けて、最初に覚えてくべき主な基本用語をご紹介します。
通貨ペア
FXで取引を始めると、ほぼ全ての方が「通貨ペア」と呼ばれる用語を目にすることでしょう。
通貨ペアとは円/ドルやドル/ユーロなど、2つの通貨の組み合わせのことです。また、通貨ペアで左に示された通貨は基軸通貨と呼ばれ、右側は決済通貨とも呼ばれています。
例)
米ドル/円の場合:米ドルを円で購入する取引方法を示しています。また、売りから取引を始める場合は、反対に米ドルを円で売ります。
通貨ペアを見ることで、どちらの通貨で新規購入・空売りをするのか分かるようになっているので未経験者は特に覚えておきましょう。
通貨ペアの種類ですが、FX会社や証券会社によって大きく異なり、数10種類のケースの場合もあれば100種類以上取り扱っている場合もあります。
スプレッド
スプレッドもFXの取引で毎回見かける用語・ルールです。
FXで表示される各通貨ペアの価格は、2種類に分かれています。正確には、買値と売値、もしくは買い価格や売り価格と呼ばれ、買い注文と売り注文時で価格が変わる仕組みです。
つまり買値と売値で差額が発生するように、FX会社や証券会社が独自に設定しています。
例)
米ドル/円の場合:
Ask(買値) | Bid |
1ドル100円 | 1ドル90円 |
FXのルールとして、買い注文で提示される価格は常に売り価格よりも高く、売り注文で提示される価格は常に買い価格より安い金額で変動します。
そのため購入直後に売却すると、損失が発生する仕組みです。
では、どうやって利益を得るのかということですが、各通貨ペアの価格は常に上下しているので、売りスプレッドよりも値上がりした時点で売却すれば利益を得ることができます。
スプレッドというルールを設定している理由ですが、FX会社や証券会社の利益に繋がるからです。また、スプレッド・差額は、各会社によって違います。
口座開設する時は、スプレッドがなるべく狭い・小さい会社から選びましょう。
レバレッジ
レバレッジを分かりやすく表現すると、てこの原理といえるでしょう。
レバレッジとは、自己資金以上の金額を使って取引ができる仕組みのことで、たとえば自己資金10万円の5倍、50万円の取引も可能です。
レバレッジの倍率は各FX会社・証券会社によって違い、国内より海外の方が100倍や200倍など高レバレッジの設定を用意しています。ちなみに国内は金融庁からの規制によって、上限25倍と定められています。
なぜ、自己資金以上の取引ができるのかというと、次の項目で詳しくご紹介する「証拠金取引」で成り立っているからです。
証拠金取引
証拠金取引とは、自己資金をFX会社・証券会社に預けて、円もしくは外貨(ドルやユーロなど)を借りて売買するシステムです。そして自己資金を使わずに取引ができるので、レバレッジを掛けた金額で取引も可能になりました。
しかし、だからといって1円や100円で、100万円の取引ができる訳ではありません。
必要証拠金と呼ばれる、取引に必要な最低額が設けられています。
必要証拠金の計算は、一般的に数%の証拠金率が定められているので、以下のような方法で求めます。
例)5%の場合
- 5%×取引額(レバレッジを掛けた金額)100万円=5万円が必要証拠金
このように取引したい金額に応じて、最低限FX会社・証券会社に預けなくてはいけない証拠金が決められているのがポイントです。
そして証拠金取引とレバレッジとを組み合わせた取引を行うことで、FXのメリットでもありデメリットでもある「少額取引」が実現できます。
1万円の自己資金で50万円の取引などができるだけでなく、利益もレバレッジを掛けた金額のため、小さな金額で大きな利益を狙うことが可能です。しかし、損失もレバレッジを掛けた金額ですので、大きな損失に繋がるハイリスクハイリターンな投資といえるでしょう。
追加証拠金
もし、FXで大きな損失を招いてしまった場合は、追加証拠金のルールにのっとって、追加で資金を投入しなくてはいけません。
追加証拠金とは、損失によって自己資金が必要証拠金より下回った場合に発動するシステムで、必要証拠金・証拠金維持率を上回る資金を追加で入金するルールです。
また、正確には証拠金維持率で判断されています。
証拠金維持率とは、必要証拠金の何%で追加証拠金を発動させるか決める数値のことで、以下のような仕組みです。
例)
- 証拠金維持率90%
- 必要証拠金10万円の場合、自己資金9万円を下回ると追加証拠金が発動
- 自己資金が9万円以上になるまで、追加で入金しなくてはいけない
追加証拠金をしなかった場合は、取引が再開できませんしFX会社・証券会社からの請求は解消しません。更に、拒否し続けた場合は、FX会社・証券会社から裁判所を通して財産の差し押さえまで行われることもあります。
FXの大きなリスクの1つは追加証拠金のことで、支払えない場合の損失は財産の差し押さえまでおよぶ点を必ず覚えておきましょう。
差金決済取引
FXで取引する時は、自己資金で直接取引しません。しかし、売買後に自己資金の増減が行われます。
つまり売買後の結果に応じて自己資金が変動するシステムを、差金決済取引と呼びます。
具体的には、こちらの流れで資金が動きます。
例)自己資金の動き
- 新規で買い注文を入れる
- 買い取引が成立
- 売りの決済注文を入れる
- 売り取引が成立
- 売買が完了した段階で、自己資金が増減
4番までは自己資金に変化は無く、売買(買いと売りで1セット)が成立すると利益や損失額に応じて、自己資金は増減します。
金利・スワップポイント
FXでは売買益だけでなく、金利収入も発生します。
各国の通貨には金利が設定されていて、通貨ペアごとに金利差が発生しています。そして、金利差のことをスワップポイントと呼ぶのが特徴的です。
例)
- 米ドル/円:米ドル2%、円1%の場合、2%-1%=1%の金利差・スワップポイント
スワップポイントは毎日発生する仕組みで、利益と損失どちらにも変わる可能性があります。
金利収入になる場合は、低金利の通貨で高金利の通貨を購入するケースです。反対に金利分だけ支払う場合は、高金利の通貨で低金利の通貨を購入するケースですので、金利収入を狙う場合は金利差を慎重に確認しましょう。
例)
- 米ドル2%/円1%
- 円で米ドルを購入する:金利収入1%
- 米ドルで円を購入する(空売り):金利コスト1%
確認方法は簡単で、FX会社や証券会社の公式サイトにて公開している、各通貨ペアのスワップポイントを確認するだけです。
たとえばSBI証券の場合は、スワップポイントと通貨ペアをランキング形式で毎日公開しています。
【まとめ】FXには用語が多数あるので1つ1つ丁寧に確認することが重要
FX取引は金融商品の中では、ややこしいシステムな部分もあるものの1つ1つの項目を確認すれば、理解できる内容です。
また、今回ご紹介したレバレッジやスワップポイント、証拠金取引など基礎的な用語は特に覚えておくべき部分です。
FX取引を始める前にやるべきことはいくつかあるので、まずは取引システムやルールについて丁寧に確認しましょう。
それでは!
今日もたくさん書いたペン!
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